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学校建設レポート 2016.4.3

~アティト・プロジェクトの中心にいるガーナ人~
現地でこのプロジェクトの中心的役割を担っている、ガーナ人のアティト・プロスパー。普段は、郡保健局のオフィサーとして働いています。
彼もまた、貧しい農村出身であり、農業で生計を立てる家庭で、多くの兄弟たちと共に育ちました。義務教育である中学校を卒業したところで、家計の問題から、高校には行かせられないと言われてしまいます。田舎の小さな村であるため、近くに高校はなく、村から進学する人もめったにいません。多くの子どもたちは、中学まで出たとしても、その後村内で家族の農業を手伝うのです。
それでも、どうしても高校に通いたかった彼は、町から村までガソリンを運んで売る仕事をし、授業料を自分で賄いながら、毎日朝四時に家を出て、片道2時間以上の道のりを歩いて高校に通うことにしました。
2年生に進学したころ、もう授業料を賄いきれなくなってしまい、退学を覚悟します。そんな時、彼に一目置いていた心ある学校会計士の計らいで、授業料を免除してもらい、無事高校を卒業することができました。
その後、首都アクラのレストランで半年間アルバイトをしながら資金をためて大学へ進学。在学中も学業とアルバイトを両立しながらディプロマを卒業し、保健局で働き始めました。
そして数年の勤務を経て大学に復学し、今年、ついに学士号を取得しました。
オフィサーとしての職に就き、収入が得られるようになった今では、それをまだ小さい兄弟たちの進学資金に充てています。
そんな生い立ちの彼は、誰よりも教育の重要さをわかっています。
「自分と同じような境遇にある子どもたちに教育の機会を与えてあげたい」という彼の思いが、このプロジェクトを動かしています。