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2012年2月21日−25日 岩手県宮古市 赤前小学校 今回は岩手県宮古市の方々と通学に使うバスに絵を描いてまいりました。 今回は赤前小学校の児童30名をはじめ宮古市の市長、副市長、宮古市教育委員会の方々、学校の先生方も精力的に参加してくださり、 世界にひとつのバスを完成させることができました。 今回のモチーフは宮古市に昔から伝わる、くじらの伝説を取り入れました。 くじらが宮古市に幸せを運んでくるというのがテーマです。 宮古市は岩手県の沿岸部に位置します。東日本震災では壊滅的被害を受けました。 ここ赤前小学校の近隣も被害が大きく、子どもたちの7-8割は家を流され、現在も仮設住宅で生活をしています。 仮設住宅と学校を行き来する生活、ほかに娯楽はない。この生活は私たちが考えている以上に、子どもにとっても、その子を持つ親にとっても厳しい環境です。 いまだ、市内は廃材が散見され、住宅街は更地のまま。 宮古市の多くの漁業を営む方々は仕事を失い、お店自体を流されてしまった自営業の方々も再開のめどが立っていない方が多い状況で、 まだまだ復興には時間がかかりそうです。 今回は教育委員会の部長さんのご自宅にホームステイさせていただき、宮古市に対する熱い思いをたくさん聞かせていただきました。 ある晩、宮古市長、副市長、先生方とご一緒する機会がありました。 彼らはいつも宮古のことを考え、どうすればもっと街がよくなるか、みんながよりよい暮らしができるか、明るい未来と可能性をこどもたちが抱くことができるか、 真剣に考えています。あまりにも真剣に考えすぎてよく討論になります。 市長自身も家を流された一人です。そんな市長は各小学校をまわり授業を行ったり、精力的にコミュニケーションを市民ととっています。 東北にいっていつも感じることは、真の大人たちの姿です。 自分たちも被害を受けた被災者であり、大切な人を津波で失い、満足な生活はおくれていません。 でもそんな自分のことよりも、街のことを考え、子どもの未来を考え、それに対し動く大人たちの姿に多くのことを学びます。 この姿こそが現代社会が失っている大切な事なんだと思います。 今回も多くのすばらしい出会いがありました。 そしてわずかではありますが東北に笑顔をつくることができました。 一番お伝えしたいことは、今もなお東北では厳しい環境の中、生活されている方々が多くいらっしゃるということです。 日常では報道も少なくなり、現地の状況もテレビで放送されることも少なくなりました。 ここからは精神的なサポートがきっと必要になります。 どんなかたちでも自分ができることをやることが一番大事なことだと思っています。 いまいちど、皆様にも東北のこと、被災者の方々のことを考える時間をつくっていただければと思います。